どう支えるのか?

グリーフ

grief

う支えるのか?

サポートを受けること、たとえば、誰かに最後までちゃんと話を聞いてもらうなど、心の中にためこんでいた感情や考えを表に出すことができるようになると、気持ちが整理されてだんだんと落ち着いてきます。

しかし、一度は自分の感情を外に向かって出すことができても、何かのちょっとした出来事をきっかけに、再び自分の思いを外に出せなくなり、再び深い悲しみの状態に戻ってしまうことがあります。

それでも、安心できるサポートとともに、心の中にあるものを外に出せる状態と出せない状態との行ったり来たりを繰り返しながら、少しずつ心は元気になっていきます。そして、だんだんと心の整理がついてくると、悲しみに浸ってばかり、ということが少なくなってきます。

グリーフの状態から感情を表に出せるようになるまでのプロセス

今までの状態

自分らしい表現、様々な感情・思い・考え

喪失体験

個々の先入観地域社会の風習等自分らしい表現、様々な感情・思い・考え

グリーフ

ワーク(悲しみと向き合う作業)

感情を表に出せた状態

自分らしい表現、様々な感情・思い・考え 行ったり来たりを繰り返す。

悲しみと折り合いをつけるためには

多くのグリーフの理論の中では、「乗り越える」「立ち直る」「回復する」などという言葉を使うことによって、大切な人が亡くなる前の生活や元の自分に戻るのが悲しみのゴールのように感じさせてしまっているように思います。しかし、大切な人との死別によって出来た心の傷は、だんだんと小さくはなっていっても完全に消えることはなく、故人がいた時と全く同じ自分に戻ることはありません。その場を持ったまま、新しい自分へと変化していくのです。

「回復する」や「立ち直る」といった言葉が自分に合わないと思ったら、自分が元気になる過程を「悲しみと折り合いをつける」、「悲しみの置き場所が出来る」といった言葉で表現してみるのはどうでしょうか。悲しみと折り合いをつけていくことは、悲しみをじっくり感じることによって、気持ちを整理して元気になっていく過程です。それは、大切な人のことを忘れるのではなく、「思い出」という箱を作り、自分なりの順番を決めて箱の中にしまっていく作業です。整理がついてくると、自分が必要になった時に、その人の思い出を自由に箱から出したり戻したりすることが出来るようになり、悲しみとの折り合いもついてきます。

しかし、悲しみと折り合いをつけていくには、周りの人たちからの理解とサポートが必要です。たった一人で向き合うことはとても困難です。必要なときに側で支えてくれる誰かが必要です。黙って話を聴いてくれる人や、一緒に食事をしてくれる人、自分が出来ない事を代わりにやってくれる人など、人に絞らすにその人の得意なことでサポートをお願いできる人をたくさん見つけておくと良いでしょう。

悲しみと折り合いをつけるために必要な6つのこと

  • 1
    最後まで話を聴いてくれる人や場所を見つける
  • 2
    グリーフに伴う様々な感情や思いを遠慮なく表に出し、受けとめてもらう
  • 3
    自分や、同じ遺族同士でもある家族内で解決しようと頑張り過ぎない
  • 4
    他の人の死別体験や、昔の死別体験と比べない
  • 5
    助けを求める相手を一人だけに集中させない
  • 6
    折り合いをつけることを急ぎすぎない

「深い悲しみにある人を支えたい」と思っている方へ

大切な人を亡くした時に、多くの人は自分を見失い、深い悲しみに打ちひしがれています。そんなご遺族に対して「なんで声をかけてあげたらいいのか?」と思い悩む人も多いでしょう。たぶん、「何とか楽にしてあげたい」、「自分ならなんて言って欲しいだろうか」と必死に考えて、ご遺族に伝えていることでしょう。

しかし、それらの言葉が必ずしもご遺族の心を楽に出来るわけではなく、逆に苦しめる場合がある事も知っていただきたいと思います。何故なら、ご遺族の悲しみはその人によって深さも内容も違い、残念なことにその全てを癒すことの出来る言葉は存在していないからです。自分の基準で判断したり、「ふつうはこう言うから」という理由で発した言葉によって、多くのご遺族が傷ついたり、自分の気持ちを話すことが出来なくなり、心の中に抑え込んで苦しんでしまうことがあるのです。

もし、かける言葉が見つからないのであれば、それをそのままご遺族伝えてください。
何か役に立ちたいと思っているならば「今は何と言ったら良いか分からないけれども、自分はあなたのことが心配だし、支えたいと思っている」と、そのままを言えば良いのです、難しい言葉を使ったり、普段は使わないような励ましの言葉を探したりする必要はありません。
そして、ご遺族が今どんな気持ちでいるのか、どんな風に支えてほしいと思っているのかを、自分の基準で判断したり、評価したりせずに、最後まで話を聴いてあげて下さい。

大切な人を亡くしてその悲しみと折り合いをつけるまでには、痛みも伴いますし時間もかかります。その際に一人で悲しみと立ち向かうことはとても困難で、側で支えてくれる誰かが必要です。そんなご遺族を支えたい、少しでも力になりたい、と思ったら、ご遺族の言うことや表現することをそのまま受け止めてあげて下さい。死別によって湧き上がってきたさまざまな感情を抑え込まず、その人がありのままの自分でいられるように、あたたかく支えてあげて欲しいのです。周囲からの支えによって、ご遺族は大切な人がいない現実と向き合うことが出来るようになり、いつの日か死別を受け入れ、新しい人生を歩んで行けるようになるのです。

”株式会社ジーエスアイ「大切な人を亡くしたとき」より抜粋”
監修 株式会社ジーエスアイ 代表 橋爪 謙一郎
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小金井祭典はご遺族を支えるためのグリーフサポートに力を入れています。
株式会社ジーエスアイ認定 グリーフサポートバディ 
小金井祭典株式会社 代表取締役社長 是枝 嗣人

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